他人の人生

きわめて個人的なこと

フリック入力で書く近況

変なタイトルだ。いつもフリック入力で書いている。このブログもnoteもiPhoneで済ませている。パソコンは三ヶ月に一回開けば良い方だ。

前置きはさておき。

いつだってあとになって気付くことばかりだ。

お酒を飲んだら顔や腕や足が痒くなる気がするなとずっと思っていた。飲み過ぎると何か身体がいたくなるなと思っていた。それなのにお酒を買ってしまった。飲んでしまった。今晩もやっぱり顔が痒くなって、あ、そう言えば私はアルコールと相性良くなかったなと思い出した。そういう間抜けなことを繰り返して26年経ってしまった。顔が痒い。背中も少しだけ痒い。でもきっとこの先も私はアルコールを飲んでしまう。飲んでしまったあとに、ああ、飲まなければよかったなと思うのだろう。

夜は長くて短い。今年は夜更かしをやめると宣言して数ヶ月、事態はどちらかというと悪化している。仕事の時間帯を考えてみると仕方ないことなのかもしれない。早出や朝勤務の時よりも、遅出+夜勤の時の方が生き生きしているし、頭もスッキリしている気さえする。最近まじめに考えたのだけど、人間が仕事で最高のパフォーマンスができる労働時間って、週休三日・一日五時間勤務くらいじゃないのかな。短期集中、拘束時間は短く、やるべきことを最高の効率でさばく。どうでしょう。仕事内容にもよるかもしれないけどね。

今年はインプットを増やしたいなとぼんやり考えていて、出来るだけ本を読む時間をつくろうとしている。最近読み終えた本の中の一つに西加奈子の『i』がある。再読だったけど、読んでいる時の自分の状況や考え方によって捉え方響き方が変わるんだなと実感した。

https://www.amazon.co.jp/i-%E3%82%A2%E3%82%A4-%E8%A5%BF-%E5%8A%A0%E5%A5%88%E5%AD%90/dp/4591153096

URLの貼り方、未だにわからん。自分が恵まれているということに対しての後ろめたさ、恥ずかしさ、おごりと拗らせ。いつまでもひとつのことに拘り引きずりたくないけれど、忘れ去る・忘れ去られることには激しい怒りを感じる、矛盾。「どうしようもなく殴らざるを得なかった人」と正義について。正しくて力のある人には惨めな人間の気持ちがわからないのだと言われる理由。自分の存在を確かめる方法を知らない不安定さについて。また、自分の存在を、歴史的事件や特別な経験を介さないと認識できない不確かさについて。ドラマチックの中にいない自分をきちんと自分として認められるようになる、ということ。遠くばかり眺めていると目の前の愛に気づくのが遅れるよ。偽善と呼ばれない祈りのこと。苦しんでいる人しか苦しんじゃ駄目ならば、私たち生きていけない。苦しんでいる人の苦しみを想像して苦しむのは、悪じゃない。自分の幸せを追うことと、誰かの幸せを願うことは、矛盾しないということ。

今の私じゃまだうまく表現できないけれど、いつかちゃんと自分がずっと感じてきたけれど言えなかったことをことばにして一つの文章として書くことができればいいなと思う。

今年になって入ったアマプラもはかどっている。最近観た、『四月の永い夢』がとても好きだった。

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%9B%E6%9C%88%E3%81%AE%E6%B0%B8%E3%81%84%E5%A4%A2-%E6%9C%9D%E5%80%89%E3%81%82%E3%81%8D/dp/B07HRZTTQF

「人生は獲得するものではなく失ってゆくもの」

いつも後から気付くことばかり。でも、そこから取り戻すことができるものだってあるんだと思う。

作品中の街並みや登場人物の雰囲気、ジャズ、ラジオ、ひたむきに何かをつくる人、涼しげな水の音、こぢんまりした背伸びしない生活の風景、とても好きだった。そしてラストシーンの主人公の初海の笑顔で何故かぶわーっと涙が出た。ラヴだね、ラヴ。

少し似ている雰囲気の映画を先週もう一本観た。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%90%E3%82%B9%E3%81%A82%E5%BA%A6%E7%9B%AE%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%83%84%E3%82%B3%E3%82%A4-%E6%B7%B1%E5%B7%9D%E9%BA%BB%E8%A1%A3/dp/B07KMGWWQ1

パンとバスと2度目のハツコイ

あくまで私の感想だけど、初恋に2度目はないんだと思った。初恋は一度きりだし、叶わなかった初恋は、叶わなかった初恋として終わる。2度目はない。一度目が続いていくだけ。初恋の延長線をずっと歩くだけ。昔と同じところでいいなあ好きだなあって思って、昔と同じように叶わない。そういうものなんだと思う。だから、初恋、特に叶わなかった初恋というものはタチが悪い。「好きだったけど付き合えなかった人のことは嫌いになることができない、だって嫌いになるほどその人のこと知らなかったから」というニュアンスの言葉が作品中に出てくる。叶わない恋って、知り尽くすことがないから綺麗で思い通りで美しく見える。だから、一度実って駄目になったものの方が実は優しい。叶わなかった初恋は、呪いみたい。

この映画のコインランドリーのシーン、とても好きだった。孤独とコインランドリーってイコールだよね。

書いていたら首も痒くなってきた気がする。気になり出したらあらゆるところが痒くなるよね。冷蔵庫にスーパーで買っていた桜ラテが入っていたから飲んでみたら、あんまり好きな味じゃなかった。そう言えば私、桜フレーバー苦手だったなあと思い出す。毎年春になると限定の桜フレーバーのお菓子や飲み物が出て、その度にワクワクして買っちゃって、いざ食べて飲んでみると「わたし桜味好きじゃなかったわ!」って思い出す。こんな学びのないぬるい人生、つまんなくて間抜けでかわいいね。

いつだってあとになって気付くことばかり。だからせめて今けっこう幸せだよなあ〜って噛み締められる時に噛み締めておきたい。