他人の人生

きわめて個人的なこと

K

Kって聞いて思い出すのは、夏目漱石のこころ。

かわいくってあざとくて、賢くて強かに見えて誰よりも繊細で、それが全て合わさって得体の知れない色気を放っている。こういう人は誰かの人生を狂わせるだけ狂わせて、ふといなくなってしまう。気付いたら消えている。

「人生でこれ以上ない関係の二人」と、名前を与えられて嬉しかった。誰にも評されずに知らぬうちに消えていく関係だと思っていて悲しかったから、親友の目にはそう映っていたのだと後から知ることができて嬉しくて、でも終わってしまったなという虚しさと色々な気持ちで混乱した。

死んだ後にあの子いい子だったよねなんて言われたくない。生きているうちに褒められるもの全て褒められたい。愛されるとこ全て愛されたい。後世に名前なんて残らなくていい。思い出っていうのは無責任でいいね。できれば思い出で綺麗になった私だけ思い出してね。

私は許されたくないなと思う。私は甘やかされて駄目になりたくないなと思う。私は諦められたくないなと思う。だから叱って欲しいと思う。肝心なところが甘くていつもダメにしちゃう。敬語でかしこまった人のたまに出るタメ口にときめいているうちはまだいいよね。

普段から楽しくお喋りしていた相手に、そういえばあなたのことって何も知らない、好きな音楽ってなんですか?って言い当てられた時のあの感じが忘れられない。私が自分のことを話そうとしないのは、話したくないわけではなく、相手のことが苦手なわけでもなく、何故かそういうことを上手く話せないからなのだ。「明るく笑顔でお喋りな私」は「ビジネス用の私」だって多分もうバレている。でも、だからと言って「ビジネス仲良し」してるんじゃないんだよ、ちゃんと大好きなんだよ。27歳、いくつになってもコミュしょーがつらい。