他人の人生

きわめて個人的なこと

『21世紀の女の子』をみた

腹痛が酷くて生産性のあることが何一つできず、気がついたら夜中になっていた。終わった一日を取り戻すべく、アマプラで『21世紀の女の子』をみた。2回目。数日前に一度みたんだけど、短い作品をたくさん詰め込んだブーケみたいな映画で、次々に世界観も演じる人もかわっていって目まぐるしくて頭が追いつけない部分があったのでもう一度みようと思っていたのだ。

URL貼れてるんか??

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B087J5GGZN/ref=atv_dp_share_cu_r

せっかくだから感じたことの記録を残そうと思う。特に印象に残った作品の感想を書くね。

◼️セフレとセックスレス/ふくだももこ

好きだった。つきのさんがおすすめされてたっていうのもあってたのしみに観たんだけど、本当に引き込まれたというか、登場人物の二人の中に入り込んでいきやすかった。身体の繋がり=心の繋がりってほんとなのかな?心が先で身体があと?それとも心だけ、身体だけもあり得る?セフレから恋人に昇格することってあるのかな?っていうか昇格っていう表現自体が、セフレを良しとしている人たちに対して失礼なのかもしれない、などと考えた。

登場人物の女の子の喋り方が、まじでセフレそのものって感じの喋り方で心がギュッとした。そっけなくて冷たくて諦めに似た乾きがあって、その中に寂しさとか本音を隠してるような喋り方。あああ〜〜〜ほんとにセフレの喋り方するやん!!って心臓が痛くなった。

ギラギラのバスルームでマニキュア塗ってもらうところとか、でっかいベッドの上でお茶たてて飲むところとか、お互いがセフレ以上に片足突っ込みそうになってやめて、言葉とか態度は上滑りして、身体だけちゃんと自我保ってるみたいな、得体の知れないリアルさがあった。

こっから二人は恋人としてもう一回始まるのだろうか。始まるっぽいラストだったけど、完全に終わるのかなって感じもした。ずるい部分をお互い許し合えてるから成り立つ関係もあるんだもんね。いきなり恋人として再スタートって現実問題どうなんやろ。よく分からんけど色々考えてしまった。

木口さん最高。天下一品。

◼️out of fashion/東佳苗

主人公の女の子も映像も、可愛くて美しくて儚くて透明感あって惹かれた。絵になる女の子ってグロいよね。とくにメルヘンな衣装とか世界観にこだわってあるだけに、社会から搾取される感じとか、社会に適応していかなきゃいけない恐ろしさとか、才能を持つことと成功することがイコールじゃない現実とか、綺麗なものほど汚されやすい状況に置かれやすいとか、全て上手くいくはずない試練に直面してく感じがリアルで、うわあって思った。あのやな感じの先輩の説教聞いてる時にカラフルなグミがアスファルトにポロポロ落ちてくところとか、本当にもう。うわあ、だった。

◼️回転てん子とどりーむ母ちゃん/山中瑶子

なんかよく分からんけど独特の世界観で目が離せなかった!!でも、よく分からん!!何を言わんとしてるかは不明だけど好き!!

すごく挑発されてる気持ちになるというか、社会に対して?人間に対して?挑発してるのかなと思った。世にも奇妙な物語みたいだった。ずっとテーブルぐるぐる回し続けてて欲しい。

◼️恋愛乾燥剤/枝優花

中高生の恋愛あるある。中高生の頃ってどっちかというと男子より女子の方が大人びてるし、ませてるじゃん。実際に付き合ってみたけど、実際に恋愛してみたけど、思ってたのとなんか違う...っていうのはわかる〜と思った。

この作品の、トイカメラで撮ったみたいなレトロな感じの色合いとか風景がめちゃくちゃ好きだった。色のこと全然分からないけど、薬局で乾燥剤買うときの背景?の色合いとか、三原色大活躍!!!ってボディビルの掛け声みたいな合いの手入れたくなるくらいツボだった。ああいうのも、光とか撮り方の工夫とかたくさんしてあるのかなあ?ものをつくるってすごいね。

登場するラーメン屋のお姉さんも、本を読んでる二人組も、金髪の恋愛諭す人も、どっか異世界って感じがして、ふつーーーーに見えるのは主人公の女の子とその彼氏だけ。これも世にも奇妙な物語っぽい。

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めちゃくちゃ書き殴ったら疲れた。すごいね、今まで映画を監督で選んだり、監督に注目して物事を考えたりしたことがなかったから新鮮だった。だいたい作品の最初に監督名と作品名が出るから、はじめまして、よろしくお願いします、みたいな気持ちで作品に入っていくことができた。伊藤沙莉ちゃん好き。伊藤沙莉ちゃんが出てる作品で、写真撮られながらカーテンの側に立った沙莉ちゃんが「あったか」って笑顔になる瞬間がすごく好きだった。人の心が開く瞬間ってこんな感じなのかな?と思った。日南響子ちゃんニコラぶりに見てびっくりした。橋本愛ちゃんの出てる作品は、なんかわかる、けどなんか恥ずかしい、わかってしまう自分が恥ずかしい、みたいな感覚に襲われてなんとも言えない気持ちになった。「私は私が一番好き、そんな私を好きでいてくれるヒロトが好き」っていう最初のセリフから色々えぐられた。まじ、このまんまのことどっかで書いたことも言ったこともあって、恥ずかしくて倒れそうだった。

大森靖子みのある映画だなって思ってたらエンディング大森靖子でそれな!!!!!!となった。大森さんって世界観独特だけど、ちゃんとその作品に合わせた大森さん感出せるところがすごいなって毎回思う、『溺れるナイフ』とか『来世ちゃん』で大森さんの曲?使われてたときも、そうくるのか〜って思った(この二つは歌を先に知ってたんだけど、映画をみてここで使われてたんだ!って知って驚愕した)。

何はともあれたくさん書いて満足したので寝ます。おやすみなさい。