他人の人生

きわめて個人的なこと

しらんけど

来月少し長めの休みをとることができそうで、どこかに行きたいなと考えていた。すぐに海外がいいなと思った。国内にも良い場所がたくさんあって、旅するなら国内が清潔で安全なこともわかっているけれど、日本語が聞こえない場所に行きたいと思った。遠くへ行きたい。私は言葉が好きだ。日本という国が好きだ。だけど、たまにとても疲れる。聞き取れる、理解できる言語は全て自分の中に入ってきて心を乱す。理解できない言葉は単なる音で、私を疲れさせない。日本語が聞こえない場所は不安だけどどこか安心できる。伝わるだろうか。読めもしない看板を見たり聞き取れもしない隣人の会話を聞いたりしながら、自分の知らない言語で意思疎通をはかる人々についてぼんやりと考える時間が好きだ。言葉が好きだ。だけどコミュニケーションがとても苦手だ。言葉ひとつひとつに乗った感情について考えすぎてしまう癖が嫌いだ。安全な場所にいる不安に耐えられなくなったとき、人は旅に出る。知らんけど。